COPD(慢性閉塞性肺疾患)と禁煙治療について

「咳や痰が長く続く」「階段を上ると息切れがする」——
年齢や体力のせいだと思っていませんか?
それは、COPD(慢性閉塞性肺疾患)かもしれません。
COPDとは?
COPDは、たばこなどの有害な空気を長期間吸い込むことで肺に炎症が起こり、呼吸がしづらくなる病気です。
進行すると、わずかな動作でも息切れを感じるようになり、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。
かつては「肺気腫」や「慢性気管支炎」と呼ばれていた病気が含まれます。
主な原因
- 喫煙(最も大きな要因)
- 受動喫煙、粉じん・化学物質の吸入
- 大気汚染
- 遺伝的要因(まれ)
喫煙者の約4人に1人がCOPDを発症するといわれており、長年たばこを吸ってきた方は特に注意が必要です。
症状
- 慢性的な咳や痰(特に朝方に多い)
- 少しの運動で息切れがする
- 呼吸が浅く、胸がすっきりしない感じ
- 風邪をひくと咳が長引きやすい
進行すると、在宅酸素療法が必要になることもあります。
「年のせい」「運動不足」と自己判断せず、早めの受診をおすすめします。
検査について
COPDの診断には、呼吸機能検査(スパイロメトリー)を行います。
- 肺活量や1秒量(1秒間に吐ける空気の量)を測定し、気流の閉塞の程度を評価します
- 胸部レントゲンやCTで肺の状態を確認します
当院では、問診から検査、治療方針の説明まで丁寧に対応しています。
禁煙治療もご相談ください
COPDにおける最も効果的な治療は、たばこをやめることです。
喫煙はCOPDだけでなく、肺がんのリスクも高めます。
当院では、保険診療での禁煙治療を行っています(一定の条件を満たす方が対象)。
電子タバコも、ニコチンを含むものであれば禁煙治療の適応となります。
禁煙治療の流れ(保険適用)
- 初診にて問診と、呼気中の一酸化炭素濃度を測定
- 禁煙補助薬の処方(内服薬または貼付薬)
- 計5回(約3か月)の通院サポート
- 医師・スタッフによる継続的なフォロー
医療機関を受診した場合、禁煙の成功率が格段に高くなることがわかっています。
「一人ではやめられない」「何度も挫折した」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
早期発見と禁煙が、
将来の健康を守ります
COPDは進行すると完治が難しい病気ですが、早期発見と禁煙によって進行を抑えることが可能です。
- 長引く咳や息切れが気になる方
- 現在たばこを吸っている/過去に吸っていた方
- ご家族に心配されている方
当院では、呼吸器診療と禁煙治療をセットでサポートしています。
どうぞお気軽にご相談ください。